「八月納涼歌舞伎観劇記」

「八月納涼歌舞伎観劇記」(写真:K2)
暑さの中、夏枯れ防止なのか歌舞伎座はコロナ禍のような朝・昼・夜の部の三部公演だった。(写真:K7)
その第2部を観劇した。(写真:K6)
場内はほぼ満席だった。(写真:K1)

「新門辰五郎」真山青果作(写真:K4)
比較的新作で歌舞伎座では1976年以来47年振りの上演だったので、当然私も初見だった。
新門辰五郎は実在した人物で江戸町火消しの浅草十番「を組」の頭で、恩ある水戸家出身で御三卿の一橋家に養子に入った徳川慶喜に従って上洛し慶喜の警護にあたっていた。京では開国か攘夷かで争いが絶えなかった。また京では守護職の会津藩が攘夷派狩りを行っていて、開国派でもある長州武士らが辰五郎の息子を利用して水戸天狗党へ密書を渡したことから、会津藩の馬廻りたちが息子丑之助(中村勘太郎)を捕らえてしまい、遂に辰五郎たちと会津藩との戦い寸前となる。それを辰五郎(松本幸四郎)と会津藩の頭の小鉄(中村勘九郎)で解決するという人情物だ。(写真:K3)
大向こうからの掛け声が聴こえないなあと思っていたら、最後の最後に大向こうから屋号の掛け声が掛かった。

「団子売」
大坂は天神橋で餅屋台を担いだ団子売りの杵造(坂東巳之助)とお福(中村児太郎)の夫婦が息を合わせて餅を搗き始める。これは仲睦ましい風俗舞踊で五穀豊穣、子孫繁栄を祈願するというもの。役者二人のぴったりとした動きがシンクロして実に美しかった。
(写真:K5)