「緊急入院」

「J  REPORT 2021 4月第3週号」
「リタイアメント・ノート 11年10ヶ月目」
「VOL.1207 SINCE AUG.12th、1983」
「緊急入院」
4月1日の母校の入学式に招待出席し、帰宅後食事したが、その直後から気分が悪くなり、夜中に戻した。黒いどろりとした液体が出た。血液が混じっているようだった。その後数時間おきに戻していた。
我慢をしていたが、遂に3日土曜日に8回目の嘔吐でダウンし、息子、娘らに助けられ聖路加国際病院の緊急外来に駆け込んだ。午後7時だった。また嘔吐した。そこから点滴を受け、午後10時過ぎに胃カメラ検査し、入院が決まったのが午後11時半だった。胃の内部には問題はなく、逆流性食道炎で食道から出血しているので、飲水食事は一切禁止となった、消化器内科への入院だ。
入院2日目(4月4日・日曜日)
血液検査の結果、鉄分、即ちヘモグロビンが不足しているということで、輸血することになった。2単位240ccが輸血された。(写真:輸血)
その後漸く口をゆすぐことが許され、氷3個貰えた。美味しかった。舐めるが如くちゅるちゅるとすすった。この時ほど水を口一杯飲みたいと思ったことはなかった。(写真:水と氷)
点滴での生活は辛い。数時間毎の氷を楽しみに生きているという感じだ。(写真:窓からの風景)
その後、点滴が続けられ、食道と胃のCT検査とレントゲンを撮る。(写真:点滴)
入院3日目(5日・月曜日)
本来ならば聖路加の人間ドックの日だ。朝から電話でキャンセルした。担当看護師は夜間と昼間とでは変わる。医師もそうだ。
この日は朝から大変だった。体重測定はベッドに担架を持ち込みそこで測る。68.5kg。入院前に比べ 3.5kg減。
心臓のエコー検査。検査士が強く推すから胸が痛かった。
初めてのお水の摂取。これほと嬉しかったことはなかった。砂漠で水に出会えた時と同じ感動なのだろうか?美味しかった。ペットボトル3本買ってきてもらった。
昼食。流動食ばかりだ。(写真:昼食)
主食なし。野菜スープ梅昆布くず湯、ヨーグルトジュース(白身魚すり流し)
  熱量170KCAL 蛋白7.8g 炭化28.92g 塩分2.5g(写真:メニュー)
再び嘔吐が続く。原因は何か?
胆嚢炎の対策とオペ。以前から悪かった胆嚢だが、ここへ来て腫れていて、これが食物の流れを阻害し、所謂糞つまり状態にしている可能性があるとのことで、まずは炎症を抑える抗生物質を投与。オペも考慮するとのこと。
また水禁止となった。これが一番辛い。
夜、医師から「特別な方法で処理をしないか」と問われる。それは鼻からチューブを入れて胃の内容物を体外に出すということ。結構辛いが細いチューブを胃の中に55cm入れて吸引し、胃液に含まれている残存物を処理するという。やってみるとあっという間に1Lほどの液体が出てきた。チューブをしたまま寝るのは大変だから殆ど眠れなかった。
入院4日目(6日・火曜日)
床ズレが起き始めている。尾てい骨が痛い。もう何日いるのかの感覚が分からなくなり始めている。度々の検温と血圧測定、血液検査、点滴投与、抗生物質投与、その他への移動と検査。いつだったか、時間の感覚が薄れる。
初体験をご報告しよう。ベッドからの移動は禁止なので、便意をもようしたのだが、ベッド上で小さなお丸にすることになった。あっという間に下着を剥がれ、お尻にお丸を入れられる。出せるか自信がなかったが、便意の方が勝った。それと尿も同様に尿瓶にする。これも慣れれば問題ない。
入院5日目(7日・水曜日)
次の日曜日の歌舞伎座のチケットをD君夫婦に譲渡した。どうせ行けないのだから有効活用して貰わなくてはね。
また、輸血だというが、これまで針が入っていたのが右肘内側関節部分だったので、新しく入れ直すとなったが、看護師二人で何度やっても駄目。私の血管が細いためだ。結局女医さんがやってきて何とか成功した。針をあちこちに挿されるのは痛いし嫌だ。
どうやら身体の中は綺麗になったようだ。胃の部分からの排出物も出し尽くし、おならも出て、腸内は貫通したようだ。腸閉塞が怖かったが大丈夫みたいだ。
未だ「点滴」と「氷」の生活だ。そこで駄洒落を一句????
「点滴と 氷のみでも 髭伸びる」
「氷舐め 点滴暮らしは 素浪人」
「これだれだ 無精髭の 老人は」(写真:髭)
入院6日目(8日・木曜日)
いつもの検査の後、点滴と輸血をしたら、女医さんが「右腕上腕部内側、即ち肘と肩の間の部分の比較的太い血管に針を通すことにする」とのこと。時間を聞くと「20分から30分だ」というので合意し、午前11時から始めたが、何と35cmものワイアを挿入する手術だった。これがワイアが途中で先へ進まなくなり、大騒動。結果からいうとエコー検査機やレントゲンのポータブル機を病室内に持ち込み、1時間半もかかってしまった。疲れ果てた。こうやってベッドで文字打つのも床ずれも痛く辛い作業なのだ。
やっとパソコンが作動して今記憶を頼りに処理しているが、これでも疲れる。
入院7日目(9日・金曜日)
午前中に身体を拭いてもらい、頭を洗って貰った。流石に気持ち良かった。そして氷禁止になり、昼から胃カメラとエコー検査だ。マウスピース嵌めてカメラを挿入するのが、その前に鼻からのチューブを抜き取った。朦朧とする薬を投薬されてぼんやりしている内に30分ほどで終了した。今回の目的は胆嚢の処理問題。明日までは水分禁止となった。うがいのみ許される。もう丸1週間何も食べていない。腹も空かない代わりに喉が渇く。
一日中、寝たり起きたり、時間に定期制がなくなったが、朝だけは不思議にいつも起きる午前5時には目が覚める。
あっという間に1週間が経ってしまった。

PS:まず一部の方からのメールに返事も出来ずにいたことをお詫びいたします。というのも突然の緊急入院でしたの、身体だけ病院に向かい、その後入院が決定してから娘に自宅に必要なものを取りに行かせたものですから、パソコンなどは当初持ち込んでおりませんでした。漸くパソコンが手に入ったのですが、今度は体力気力が落ちていて、満足にキーボードも叩けません。そのため一部の方には本当に失礼してしまいました。まだまだ回復という状況に非ず、入院も長引きます。いつも通りの「J REPORT」にはなりませんが、当面お許し下さい。勢古口 順