「昆布漁」

最終日の朝、ご来光を観に出掛けた。4時53分、東の空から日輪が昇った。海の先から赤い光が溢れ出し、徐々に太陽が顔を出す。東京よりかなり日の出の時間も早い。利尻山と太陽の姿が美しい。やがて船のエンジン音が響き合ってきた。一斉に漁船の出航だ。8時までのウニ漁や昆布漁の始まりだ。皆、競って漁場へ向かう。船には漁師は一人だけ乗っている。浜では奥さんが見送っていた。これらの船は漁場で箱メガネを使って海底を観ながら船を操りながら、網や竿を使ってウニや昆布を取る。8時過ぎ第一陣が寄港してきた。昆布の船でたくさんの人たちが集まってきて、直ぐに海岸に昆布を並べて干し始めた。下は小さな石があり、その上の表を上にして昆布を敷き詰める。表と裏の仕分け方は、幅約20cm、長さ1mほどの昆布には葉脈上の太い筋が2本入っていて、その葉脈が出ているほうが表、引っ込んでいるほうが裏だという。裏を上にして干すと海老反りになってしまい商品価値が落ちてしまう。並べた昆布の上に網を被せていた。小石の上に並べると石が太陽に熱せられているというのと風通しが良いという利点があるようだ。だから石の熱で裏面を、太陽光線で表面を熱し乾燥させるということらしい。中々合理的な考え方だ。

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