「宮沢賢治の愛した鰻」

「手前勝手世界食物語、第351号」
「宮沢賢治の愛した鰻」
大人の休日倶楽部パス最終日に岩手県の花巻市を訪れた。目的は「宮沢賢治の愛した鰻」を食べること、ただそれだけだ。その店はJR花巻駅から徒歩10分くらい、市役所の傍にある「新ばし」という店だ。創業大正14年だというから89年の老舗だ。店は昼時だったので近くのサラリーマンの人たちが数名いた。私は「鰻重」を頼んだ。その際、店のおばさんから「今から捌くから30から40分くらい掛かりますよ」と言われたが、問題なしと答えて待つ。そんなに間を置かずに鰻は出てきた。香ばしい香りがする。柔らかい鰻が一匹、二つに切られていて焼き上げられていた。味はまあまあ、これが賢治が愛したのかと思えば、思わず頬も緩む。宮沢賢治はこの店の鰻丼が大好きで蕎麦が5銭の時代に鰻丼50銭を出しても食べていたという。この鰻、とろけるような食感だったが、素朴さが今でも伝わるような田舎の鰻でした。宮沢賢治に感謝、感謝。ありがたく食べさせて頂きました。最後にコーヒーが出て、@3000円でした。
以上、勢古口が東京からお送りしました。

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