「今週の映画と本」

「今週の映画と本」
「関心領域」(UC豊洲にて)私的評価★★★★(今年41作目)
ポーランドのアウシュヴィッツ収容所の隣にはドイツ軍幹部の自宅があり家族が暮らしていた。24時間焼却炉が稼働する音が聞こえるが、自宅の庭では子供たちがプールで遊び、家の中では婦人たちが収容所から得たドレスや貴金属、下着を分けていた。一見して平和な暮らしだった。所長の転勤が命じられると妻は転居を拒否した。夢の生活を捨てられないと喚く。更にドイツ軍によってハンガリーから70万人のユダヤ人が送られてくることになった。そして最後は今の収容所の模様が写される。実は私もここを訪れた時観たものが写されていた。人類の悪と正との差は何なのだろうか?非常に問題提起した映画だった。

「バティモン5 望まれざる者」(UC豊洲にて)私的評価★★★★(今年42作目)
ある普通のフランスの街。悩みは移民問題と低所得者対策。これらは同時並行的に重なっていた。突然現市長が急死し小児科の医師が市長代理となる。彼は正義感に溢れていたが、人種的にも宗教的にも差別主義者でもあった。低所得層と移民たちが住むアパートで火災が発生する。これをチャンスと見て市長代理は建物が崩壊する危険があるとして住民の一斉退去を狙う。クリスマスイブの寒さの中に屋外に放り出された市民は果たしてどうなるのか?今のフランスの悩みが巧みに描かれていた。

「ライド・オン」(UC豊洲にて)私的評価★★★(今年43作目)
年老いたスタントマンと相棒の馬の物語。スタントマンはノーとは言わないをモットーに生きてきた男が体力の限界を乗り越えようとするが、それを娘が阻止する。果たしてその後は?

また、5月31日付け日経新聞夕刊「シネマ万華鏡」には、「マッドマックス フェリオサ」「壁は語る」「ライド・オン」「ユニコーン・ウォー」「アンダー・ユア・ベッド」「告白 コンフェッション」「映画からかい上手の高木さん」「ドノバン 音楽家加藤和彦とその時代」が紹介されていました。

「2024年の映画で私が良いと思ったのは」
★★★★★=「哀れなるものたち」「ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人」「コット、はじまりの夏」「オッペンハイマー」

★★★★=「枯れ葉」「ゴールデンカムイ」「ダム・マネー ウォール街を狙え!」「ブルックリンでオペラ」「パスト ライブス/再会」「人間の境界」「無名」「鬼平犯科帳/血闘」「碁盤斬り」「関心領域」

「私の2023年に観た映画は98本、星5つは
★★★★★=「ドリーム・ホース」「SHE SAID その名を暴け」「生きる LIVING」「パリタクシー」「クロース」「ふたりのマエストロ」「JFK/新証言 知られざる陰謀」

「2024 観劇シリーズ」 2023年の歌舞伎観劇は12度でした。
寿初春大歌舞伎昼の部「常辰歳歌舞伎」と「荒川十太夫」「狐狸狐狸ばなし」を観劇。
一月大歌舞伎「平家女護嶋」(新橋演舞場にて)を観劇。
猿若祭二月大歌舞伎、昼の部を歌舞伎座にて観劇。「新版歌祭文」、「釣女」、「籠釣瓶花街酔醒」の3題目。
三月大歌舞伎、昼の部「菅原伝授手習鑑」、「傾城道成寺」、「小浜御殿綱豊卿」を観劇。
四月大歌舞伎、夜の部「於染久松色読販」、「神田祭」、「四季」を観劇。久々の玉三郎でした。(写真:K四月)
團菊祭五月大歌舞伎、昼の部「鴛鴦襖恋睦」「極付番隨長兵衛」「毛抜」を観劇。(写真:K五月)
六月大歌舞伎、昼の部を観劇予定。(写真:K六月)

「2024年旅暦」
1月に蕎麦の旅で東北と信州に行きました。
6月に福岡佐賀に、7月には釧路に長期滞在を、また8月には家族全員で壱岐の島へ旅する予定。通院の予定があるために、旅行は難しいですね。
海外には2月にハワイに行きました。次のハワイは9月の予定です。

「2023 本の記憶シリーズ」  2022年の読書数は、185冊でした。
「魔性の剣」(鈴木 英治 著)光文社文庫 私的批評眼★★★(今年73作目)「書院番勘兵衛」シリーズ第3話

「暁の火花」(佐々木 裕一 著)講談社文庫 私的批評眼★★★(今年74作目)「公家武者信平ことはじめ」シリーズ第16話