「メトロポリタン美術館展」

「メトロポリタン美術館展」(心奪われる美の至宝、来日)
六本木の国立新美術館で開催中の展覧会に行って来た。1860年代、アメリカは南北戦争後のニューヨークに、美術館は造られたものの展示物は全くなかったという。それが篤志家や富豪たちの寄付により19世紀後半から今までに何と150万点余の美術品が寄贈されたというから凄い。私もニューヨークへの旅行中に数回訪れたが、今回の企画には涙が出るほど嬉しかった。兎に角15世紀からのヨーロッパ画壇の貴重な作品が65点も展示されていて、これほどの展覧会はなかなか見られるものではない。(写真:M1)
まあ、色々というよりは是非見に行くことをお勧めする。素晴らしい絵画に圧倒されると思う。能書きは別として詳細は現地で確かめてもらい。
「女占い師」ジョルジュ・ド・ラ・トゥール(写真:M2)
「踊り子たち、ピンクと緑」エドガー・ドガ(写真:M3)
(写真:M4)
有名な画家の作品ばかりだが、どうしてこれほどのものが集められたのか、同時にアメリカの嘗ての国力の凄さに思い至る作品群でした。
でも気が付いたことがある。15世紀の宗教画も19世紀の印象派の絵も、人の目の色が黒か茶色なのだ。実は青い目の絵は殆どなかったと言えるのだった。何故だろうか?何かしらの効果を狙ったものなのか、疑問のまま会場を後にしました。
後日、一部屋分展覧会を見落としていたことに気が付き、再度訪問した。それはフェルメールの作品のある部屋だった。
オランダの画家「フェルメール」は生涯に35点の作品を描いたと言われている。その中で珍しく寓話を題材にしたのが今回の出展作品「信仰の寓意」だ。(写真:フェルメール)
これまで観た幾つかのフェルメール作品とは若干違い、「光の魔術師」と言われている彼の真骨頂とはちょっと感じが違う作品だった。何か古惚けた感覚だけが残ったような気がした。「真珠の首飾りの少女」の絵の印象が強過ぎるのかもしれないが。
まあ一度ご覧になるといい。