「種差海岸から福島県喜多方へ」

第三日目
早朝の種差海岸、4時過ぎに起き出し、目の前の海岸に向う。震災の時には、民宿前の公共トイレまで津波が押し寄せたという。民宿自体は海岸から50mほどのところだが、ちょっと小高い場所にあるので津波からは救われたという。だが下の港では船が皆流されたという。朝日が昇ってきた。「自然の芝」が敷き詰められている広い場所は「キャンプ場」にもなっていた。そこにも沢山の「ウミネコ」がいた。鳴き声が「猫」のようだからだろう、「海猫」と呼ばれている訳は。「にゃお」とは鳴かないが、「ぎゃお、ぎゃお」と大きな声で鳴いていた。それから海岸沿いの遊歩道を「クロマツ」約1万本の間を縫って進む。周囲には「ニッコウキスゲ」が群生しているし、遊歩道を横切るようにあちこちに「蜘蛛の巣」が張り巡らされていて歩きにくい。海岸には大きな岩が沢山あり、その岩と岩の間に漂うウミネコ、沖合いの小さな島にも沢山のウミネコの姿が見えた。ウミネコは人が近付くと逃げて行く。更に漁港を通り、その先の海水浴場「白浜海岸」まで約2km歩く。徐々に夏の太陽が照り付けてきた。それでも気温は25度には達していないだろう。ウミネコの群生地としてはここから少し北、「鮫」駅近くの「蕪島(かぶしま)」が有名だが、この辺りにも沢山のウミネコが暮らしていた。6時10分、一番列車が通過した。私は7時7分の電車で八戸に戻り、新幹線等を乗り継いで喜多方まで行く嵐閧セ。民宿に戻り早目の朝食を食べる。烏賊刺し、温泉玉子、納豆、メカブ、焼き鮭の切り身、味噌汁等々でご飯を二杯も食べてしまった。昨晩の追加料理と酒代含めて一人約1万1千円でした。夜も冷房なしで扇風機だけ、海の潮の音を聞きながら熟睡した種差海岸の夜でした。
八戸に向う電車の中で隣り合った老夫婦と娘さんの3人組に話し掛けたら、なんと老夫婦は娘夫婦のところに1週間遊びに来ていたというが、帰るのが「大分県別府温泉」だというではないか。八戸から東北新幹線で東京、そこから東海道山陽新幹線で小倉、日豊本線に乗り換えて、別府到着は午後6時だというから、ほぼ11時間の列車の旅だ。驚きだ。飛行機は乗り慣れていないので場所が分かりにくいから列車のほうがわかり易いとは確かにそうだが、大変だ。
さて、私には途中でアクシデントが待っていた。会津若松に着いたら、なんと嵐閧フ列車が運休となっていた。駅の時刻浮ノは赤字で「土日休日運休、突然の運休もあります」と書かれていたが、不親切だよ。行動嵐閧ェ立たないではないか。突然の運休で「喜多方」まで行くことが出来ない。仕方なく「鶴ヶ城」近くの蕎麦屋「香壽庵」で「高遠蕎麦」を食べ、市内循環バスで市内を廻ってから東京に戻ってきた。折角「喜多方ラーメン」の美味しい店をリストアップしていたのに、残念でした。この蕎麦の食べ方がまた面白い。出汁は透明な出汁で、別に醤油タレが付いていて、これを加えながら自分の濃さにして蕎麦を食べるのだ。蕎麦は普通でした。特に美味しいとは思えなかった。

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