「十二月大歌舞伎観劇記」

「十二月大歌舞伎観劇記」(写真:K1)
(写真:K2)
「爪王」
勘九郎七之助兄弟が演じる「爪王」は「鷹」と「狐」の雪の中での戦いを描く。
動物学者の戸川幸夫作。庄屋から村を荒らす狐を退治してくれるように要請された鷹匠は「吹雪」と名付けられた鷹を連れて雪の中を山へと向かう。そこで繰り広げられる鷹と狐の争いで吹雪は傷付いて谷へと去っていく。そして再び戻って来るとう舞踏劇だ。2兄弟の舞は素晴らしかった。

「俵星玄蕃」
忠臣蔵の中心人物以外の活躍を描くもの。
時は元禄十五年十二月十三日。実は討ち入り前日のお話し。江戸は横網町(吉良邸に近い)に住む槍の名手「俵星玄蕃」は吉良から用心棒を請われていた。そこへ現れた夜泣き蕎麦屋の十助(実は町人に身を窶しているが赤穂浪士の一人)に心持を吐露する玄蕃。そして十四日深夜(15日未明)に響くは山鹿流の陣太鼓。やったりと槍を手に両国橋に駆け出す玄蕃。ここで十郎が義士であることを知り、駆け付けて来た米沢藩の武士らと一戦を交える玄蕃を描く。玄蕃を松緑が演じる。この時期ならではの歌舞伎だ。(写真:K2)
歌舞伎の殺陣は形式美である。実際に切ったはったをするのではなく、その微妙で且つ大きな動きが主人公と敵役の役割を示している。これも実に美しいものだった。

実は第一部が貸し切り公演で超歌舞伎と言うものをやっていたので、風変わりな姿の人たちが多くいて場違い感があったが、歌舞伎も常に変わっていると実感した。意外にも外国人の観客が多い年末の歌舞伎座でした。
来年からは「松竹歌舞伎会」の一番上のクラスに着くことが出来ました。これで予約は殆ど全て思い通りの席が確保出来ると思います。

「今年最後の満月はコールドムーン」
英語圏というか北米の原住民の言葉で12月の満月を「コールドムーン」と言うらしいが、28日の夜空にはそんな月が輝いていた。(写真:M1)
ちょっと曇り気味だったので雲と一緒に見えた月でした。お月様、ご苦労様でした。来年も宜しくね。(写真:M2)