「三月大歌舞伎観劇記」

「歌舞伎座新開場十周年・三月大歌舞伎観劇記」(写真:K1)
(写真:K2)
第二部「仮名手本忠臣蔵・十段目・天川屋義平内の場」(写真:K5)
廻船問屋の主人天川屋義平は大星良之助の依頼を受けて、ひっそりと赤穂浪士の討ち入りに必要な武具の調達をしていると、そこへ捕り方が押し寄せ幼い息子に刃を向けて、白状しろと迫るのだが。という義理人情に篤い天川屋義平を描く。商人ながら討ち入り情報が洩れぬように妻を離縁し、息子の命も厭わない覚悟で臨む義平の姿が印象的だ。
(写真:K3)
(写真:K4)
「新古演劇十種・身替座禅」
新古演劇十種とは尾上菊五郎家に伝わるお家芸のことで、身替座禅は十番目のもの。
京都で大名の山蔭右京は愛人からの文に誘われ、夜外出したいのだが、妻の玉の井が怖くて困り果てていた。そこで一晩座禅を組むので見に来ないでくれと妻に約束させ、実は本当は家来の太郎冠者を身替りにさせて自分は外出するというもの。しかし妻は苦労している夫を見舞うとそこにいたのは太郎冠者だとばれてしまう。そんなことも知らずに戻ってきた右京は太郎冠者だと思っている座禅している人に自慢話をする。同時に妻の悪口も。そこで妻が立ち上がり、大変な結末になるというお話し。