「二月大歌舞伎観劇記」

「二月大歌舞伎観劇記」(写真:K1)
「春調娘七種」(むすめのしらべななくさ)
初春を飾る「曽我物語」の対面前に行われたもので255年前が初演だった。今回は曽我十郎に「中村梅枝」、曽我五郎に「中村萬太郎」(二人は共に中村時蔵の息子)、静御前に「片岡千之助」(片岡仁左衛門の息子)が演じている舞踊。現実には同時代に生きたのではないが、歌舞伎の世界に見事に蘇った。(写真:K2)
(写真:K3=福の神)
(写真:K4=ユニクロの海老蔵)
(写真:K5)
「義経千本桜 渡海屋 大物浦」(仁左衛門 一世一代にて相勤め申し候=この舞台を最後に仁左衛門はこの演目を演じない最後の舞台という意味)
壇ノ浦で滅んだ平家一門だったが、実はその2年後に大物浦(今の尼崎)にある廻船屋「渡海屋」には鎌倉から追われていた義経主従が西国へ落ち延びるため、船待ちで泊まっていた。その渡海屋の主「渡海屋銀平」(仁左衛門)は、壇ノ浦で亡くなったはずの平家の総大将だった「平知盛」が生きていて安徳天皇を守っていた。そして義経への復讐の念を強めていた。そこに鎌倉から追っ手が現れ、鎌倉方と知盛が義経を狙い戦いとなる。しかし義経と四天王に弁慶が強く、鎌倉方も知盛も敗れ去る。最後は安徳天皇を義経に預けて知盛は死ぬ。題名の桜は散り際の男の美しさを意味するという。
(写真:K6)